原価企画とは、製品やサービスを計画する際に、所定の目標原価やコストを設定し、それに基づいて開発、製造、販売を行う手法です。この手法では、目標とする利益を考慮に入れながら、製品やサービスの適正市場価格(=売れる価格)から目標利益を差し引いた金額が目標原価(コスト)とされます。つまり、製品やサービスの収益構造を計画的に設計し、利益を確保するためのアプローチです。
実際原価算出の流れ
目標原価を無視した成り行き経営では、製品やサービスの価格設定が適切でなく、作って売り出したがさっぱり売れない、言い値受注を余儀なくされ赤字続き、などの状況になってしまいかねません。原価企画は計画段階で実施することが効果的ですが、既存の製品やサービスにも適用可能です。まず、モノやサービスの提供にかかる実際のコストを正確に把握することが重要です。
実際のコストを理解するためには、コスト構造を詳細に分析することがスタートです。正確な実際原価を知ることで、より正確な見積もりを行うことができ、価格交渉や選別受注の根拠として活用できます。コスト構造の詳細を把握することで、利益が出ない要因が明らかになり、目的志向の改善手法であるVEを活用しコスト削減につなげることができます。
コスト構造を明確化することにより、最適な売価設定と原価管理が可能になり、
適正な利益確保につながります。